みぞおち

実家に帰ると両親とそれぞれの近況報告をします。

父親とは主に仕事の話を。

母親とは新しく始まったドラマや最近行ったパン屋さんの話を。

父親と話していると言葉の端々から地元に戻ってこないのかという思いが伝わってきました。

私はそれにずっと前から気づいていて、それでも気づいていないふりをしていました。

私も結婚して家庭があります。

引越しをするのも簡単なことではありません。

そのことを両親も理解していて、あなたの好きなようにしなさいと言ってくれています。

その言葉にいつも甘えて、いつまでも気づいていないふりをしてはいけないとわかっているのに、みぞおちの辺りに圧迫感を感じたまま実家を出て電車に乗ってしまいました。